こしあん
2020-02-22

技術書典8の当日開催が中止になっても新刊を出す7つの理由


Pocket
LINEで送る
Delicious にシェア

798{icon} {views}

技術書典8の新刊「モザイク除去から学ぶ 最先端のディープラーニング」の無料サンプルを公開しました! Boothからダウンロードできます。通販は納品が完了するまでもうしばらくお待ち下さい。

無料サンプル公開

技術書典8で頒布予定だった新刊の無料サンプルを公開しました。サンプルはPixiv IDがあればダウンロードできます。

モザイク除去から学ぶ 最先端のディープラーニング | https://koshian2.booth.pm/items/1835219

目次・序章・1章はPDFで無料・試し読みできるようになっていますので、ぜひ読んでみてください! 3連休でお暇な方、外出できなくて時間に余裕ができた方いかがでしょうか?

書籍版はBoothの納品・検品の関係でもう少しおまたせしてしまうかと思います。申し訳ありません。予約販売として電子版を先にダウンロード可能にし、検品が終わり次第発送等も視野に入れています(ただし予約販売の場合は、送料が割高になってしまうおそれがあります)

ログインするのが面倒だ!」という方のために一時的にこのブログにも試し読み版おいておきます。サーバー転送量の関係で予告なく削除するかもしれません。

「モザイク除去から学ぶ 最先端のディープラーニング」無料試し読み版 PDF

当日開催中止~新刊出すまでの流れ

これまでの自分の時系列を整理しておきます。

  • 2月まで 自分は技術書典8で新刊を委託予定だった
  • 2/15 技術書典運営より、当日開催が一度は告知される。自分はこの時点では印刷所との見積もり段階でまだ入金はしていなかった。
  • 2/16 厚生労働省より、不要不急の集会の自粛要請検討の報道が行われる
  • 2/17 運営より、当日開催の中止が告知される。15-17日の経緯につきましてはこちらの記事に書いてあります。

2/17の時点では印刷所には振り込んではいませんでした。この時点で自分にとっては3つのオプションが考えられました。

  1. 新刊を次回の技術書典9に持ち越す
  2. 新刊を電子版だけ頒布する
  3. 従来通り新刊を書籍版・電子版の両方で出す。通販メインにする

結果的には「3」を選ぶことにしました。印刷所には今週末に見積もり通り振り込みました(ずいぶんお金飛んでいきました)。この判断に至るまでの考えにつきまして書いていきたいと思います。

(1) コロナウイルスが7月になっても収束する保証がない

1つ目は真面目な理由ですね。米国CDC長官によれば、最悪のシナリオではウイルスが今年以降も残り続けるという見方を示しております。次回の技術書典は7月に予定されていますが、あくまで個人的な意見としては、「7月になったら100%開催できるだけの根拠はまだない」ということでしょうか。オリンピックに影響が出る程度長引くとするのなら、そういったことも頭の片隅に入れる必要はあるかなと思いました。

(2) 長引いた場合、先延ばしすると逆に物流で問題が出るだろう

これはあくまで長引いた場合のシナリオです。例えばマスクを見てみれば「原材料や製品を中国に依存していてなかなか増産できない」という現象が発生しています。紙の本は現時点では出版できていますが、長引いた場合、どこでコロナウイルスの影響が出てくるかあまりに未知数だからです。

極端なことを言えば、「マスク用の紙を優先的に作りたいから、不要不急の印刷用紙の生産を一時的にストップしてほしい」なんてこともあるかもしれません(むしろここまで身を切ってマスクを増産することは、国民全体のことを考えればむしろ好ましいと思いますが)。またこれも極端なことですが、「自粛自粛と動いた結果、対面で渡せていたものが渡せなくなり、輸送需要が逼迫して運送がパンクした」なんてこともあるかもしれません。それを踏まえると、現時点で製本できるのならもうやったほうがいいだろう、というのが自分の意見になりました。

(3) 人と人との接触で感染することはあっても、荷物だけでは感染はしない

さて、ここで風評被害の対策をしておきましょう。コロナウイルスが人から人に感染するのは残念ながら周知の事実になってしまっていますが、モノから人つまり「どこの誰が触っているかもわからない本から感染しては嫌だ」なんて声もあるかもしれません。しかし、これには厚生労働省に興味深い情報があります。

問21 中国やウイルスが見つかったその他の場所から送られてくる手紙や輸入食品などの荷物により感染しますか?
現在のところ、中国やウイルスが見つかったその他の場所から積み出された物品との接触から人が新型コロナウイルスに感染したという疫学的情報はありません。WHOも、一般的にコロナウイルスは、手紙や荷物のような物で長期間生き残ることができないとしています。
【WHOの情報】
https://www.who.int/news-room/q-a-detail/q-a-coronaviruses
https://www.who.int/emergencies/diseases/novel-coronavirus-2019/advice-for-public

【国立医薬品食品衛生研究所の情報】
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/microbial/2019-nCoVindex.html

つまり、これを読む限りでは「荷物からは感染しない」と考えるのが妥当といえるでしょう。危ないのは大勢の人が密集するような場所であって、荷物ではありません。ここを履き違えると放射脳の二の舞になってしまいます。

(4) いくら延期しても執筆に費やした数ヶ月は返ってこない

個人的にはこれがかなりの比率を占めています。完全に書き手側の理屈ですが、「延期するのはたやすくても、執筆に費やした数ヶ月は返ってこない」という事実に目を向けると、なかなか苦しいなというのが心理的にあります。例えば、延期したとして内容を変えることになったら、それはそれで時間をさらに時間を費やすことになります。いつ届けるのかわからない状態で、ただただ時間を浪費していくのがあまりにつらすぎるのがあります。

お金の問題でしたら、あくまで書く側は印刷代が6桁とかなので仕方ないなと思える範囲です(運営側はさらにこれの桁が1つ2つ変わるので洒落にならないかと思いますが)。会場頒布できない分、ある程度部数が減っても仕方ないと思います。余ったとしても次回以降に本は持ち越せます。ただ、時間だけはどうやっても返ってこないのでそれがつらいなというのがあります。

(5) 完全に通販だけにした場合はどうなるのかの実験ができる

これまでだいぶネガティブな理由を挙げてしまいましたが、逆にポジティブな理由をいくつか挙げていきましょう。

これまでの同人誌といえば、コミケなどをはじめ「会場による対面販売が基本で、通販はあくまでサブ」というのが当たり前でした。しかし、コロナウイルスという不可抗力な外圧によって、「会場がなしで、通販がメイン」という条件でどれぐらいの人が手の取ってもらえるのかという実験が強制的に行われているとも考えることができます。

このような実験は、おそらく通常のような状態ではできないでしょう。「失敗する可能性も大いにあるが、もしかしたら通販メインでも行けたら将来的には面白いよね」と思っているのが現状です。即売会システムは、東京近郊に住んでいる人と地方に住んでいる人で格差があったり、デメリットがゼロというわけではありません。もしこれがこのような問題の解決への糸がかりとなったら面白いよなーと思っています。自分自身を実験台にしているようなものですね。

(6) 読者にとっては逆に本を読む時間を十分確保できるだろう

中国では外出制限にともなって「暇すぎる」という声もあるそうです。暇になったらどうするか?ということでこのような記事があります。

新型肺炎、自宅隔離で暇を持て余したらどうする?―中国メディア

中国人民の皆さん、暇を持て余しすぎて武漢の病院建設工事のライブ中継を見て重機や設備に名前をつけ、人気投票も始まる「生コンミキサー=オニーチャン」

自宅待機するのはいいけど、実際問題暇になってしまうんですよね。そんなとき、技術書みたいな分厚い本はうってつけではないでしょうか? 自分の本はA4で195ページ・文字数35.8万の濃厚な内容なので、そう簡単には暇を持て余さないかと思います。ぜひこの機会にいかがでしょうか!

(7) 経済を回そう

偉大なる先人はこのようなことを言いました。(画像はこちらから)

自分は印刷所に振り込んで経済を回しました。みんなも自粛ムードにとらわれず、日本の経済を回していこうな?

再度告知

以下で新刊の無料サンプルを公開中です。

https://koshian2.booth.pm/items/1835219

目次・序章・1章はPDFで無料・試し読みできるようになっています。気になっている方はぜひ「❤マーク」をクリックしてみてください。また、倉庫に入荷されたときに通知するメール機能もあるのでそちらもご活用ください。

技術書典8の応援祭にも参加する予定なので、詳細告知されたらまたお知らせしますね。

入荷までだいぶおまたせして申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします!

Pocket
Delicious にシェア



Shikoan's ML Blogの中の人が運営しているサークル「じゅ~しぃ~すくりぷと」の本のご案内

技術書コーナー

北海道の駅巡りコーナー


Add a Comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です