np.meshgridでベクトルから総当りで配列を作る
等高線プロットによく使われるnp.meshgridですが、総当り的に格子点を作るという便利な使い方をできます。テンソル計算と組み合わせることで、総当り的に配列を作り、一括して計算することができます。
目次
想定
次のようなシチュエーションを想定します。
- 「np.arange(10)」で10個の点を作った。
- これをx, y組み合わせて100個の点を作り、x, y座標で表したい(総当りで10×10で組み合わせたい)
- できれば座標点を1個のNumpy配列(テンソル)で表したい
こういうときにmeshgridが活躍します。np.meshgridがx, yそれぞれ返すのでnp.stackを使えばいい感じにテンソル化できそうですね。
np.meshgridの基本的な挙動
まずはnp.meshgridの基本的な挙動を確認しましょう。
print(np.meshgrid(np.arange(3), np.arange(2)))
これは次のような出力になります。
[array([[0, 1, 2],
[0, 1, 2]]), array([[0, 0, 0],
[1, 1, 1]])]
2つの変数が返ってきます。1つ目は横方向(axis=1)に連番、2つ目は縦方向(axis=0)に連番ですね。2つの変数のshapeは同じです。
実はこれが格子点のx, yになります。例えば、
xarr, yarr = np.meshgrid(np.arange(3), np.arange(2))
for i in range(xarr.shape[0]):
for j in range(xarr.shape[1]):
print("(x, y) = ", xarr[i, j], yarr[i, j])
とすると総当り方式に座標が生成されます。
(x, y) = 0 0
(x, y) = 1 0
(x, y) = 2 0
(x, y) = 0 1
(x, y) = 1 1
(x, y) = 2 1
xarr, yarrと2つの変数があるのは後々面倒なので、3階テンソルにして1つの変数にしましょう(最初はテンソル化したほうが面倒に感じてしまいますが、なれるとこっちのほうが断然やりやすいです)。
points = np.stack(np.meshgrid(np.arange(3), np.arange(2)), axis=-1)
print(points.shape) # (2, 3, 2)
for i in range(points.shape[0]):
for j in range(points.shape[1]):
print("(x, y) = ", points[i, j, 0], points[i, j, 1])
これは同じ出力になります。
(2, 3, 2)
(x, y) = 0 0
(x, y) = 1 0
(x, y) = 2 0
(x, y) = 0 1
(x, y) = 1 1
(x, y) = 2 1
np.stackは(2, 3)という2つのNumpy配列に対し、末尾に新しい軸を作って結合しましょうという意味です。「axis=-1」以外だと位置が変わります。最後にくっつけておくのが分かりやすいと思います。
問題
次の問題を解いてみましょう。物体検出の前処理で使う問題です(物体検出より簡略化しています)。
左上を原点とし、110×110の大きさの正方形があります。この正方形を縦横10×10に分割し、11×11の小さな正方形100個を作ります。分割された全ての正方形について、各正方形の左上の点を(0, 0)としたときに(5, 5)となるような中点を考えます。全ての正方形の中点の座標(格子点)を列挙し、原点から(25, 75)の位置にある点Aと、全ての格子点の(x, y)方向の差を求めてください。例えば、(5, 5)にある中点は、(-20, -70)を出力します。
解答
np.stackとブロードキャストを使ったテクニック。
k = np.arange(10) * 11 + 5
points = np.stack(np.meshgrid(k, k), axis=-1)
A = np.array([25, 75]).reshape(1, 1, -1)
diff = points - A
print(diff)
出力
[[[-20 -70]
[ -9 -70]
[ 2 -70]
[ 13 -70]
[ 24 -70]
[ 35 -70]
[ 46 -70]
[ 57 -70]
[ 68 -70]
[ 79 -70]]
[[-20 -59]
[ -9 -59]
[ 2 -59]
[ 13 -59]
[ 24 -59]
[ 35 -59]
[ 46 -59]
[ 57 -59]
[ 68 -59]
[ 79 -59]]
(中略)
[[-20 29]
[ -9 29]
[ 2 29]
[ 13 29]
[ 24 29]
[ 35 29]
[ 46 29]
[ 57 29]
[ 68 29]
[ 79 29]]]
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